全国の図書館では、過去にカセットテープに録音された音訳図書を音声デイジーというデジタル化した図書に変換する取組が行われており、いちえ会でも依頼を受けてその業務を行っています。今日はその流れをご紹介しましょう。
(テープは、利用に現物が必要なほか、劣化などの問題もあり、これを解決するのもデジタル録音図書規格であるデイジーなのです)
用意するもの
・以前、音訳で録音された音声テープ
・本そのものまたは本のPDFファイル
(1)データ化
いちえ会では、協力いただいている会社でテープから音声ファイルにしてもらっています。
(2) 製作ソフト読み込み
音声ファイルを受け取ると、いちえ会の担当メンバーが、各自のPCのデイジー製作アプリに読み込んでいきます。
(3)編集
取り込んだら、アプリ上での編集作業になります。音声ファイルには区切りがないため、本を見ながら音声を聞き、章や節の最初で切り分け(頭出し)やページ付けの設定をします。必要に応じ音声の並べ替えや追加も行います。
(4)完了
編集が終わったら、デイジー図書の規格にそった変換とファイル構成で出力して完成です。
(5)納品
こうして出来上がったデータを図書館に送ります。納品方法は、CDやデータアップロードなど図書館によって異なります。
(6)利用
納品した図書館ではCDで利用者に貸し出すほか、その図書館が国立国会図書館のデータ提供館なら、国立国会図書館にデータが送られ、障害者向けサービス「みなサーチ」を通じて全国の障害者登録された方がダウンロード利用できるようになります。こうして過去の録音財産を残されているのです。
いちえ会では、これまで数百書誌の実績がありますので、これからも図書館と協力して取り組んでいきたいと考えています。